「マスオです。カツオ君が行方不明になってから一週間が経ちました。そろそろサザエの我慢も限界のようで…」


「…もう我慢できないわ!父さん、あたしカツオを探しに行きます!警察なんてアテにできないわ!」
「待ちなさい。闇雲に探して見つかるものでもない」
「じゃあこのままでいいっていうの!?そんなのあたしはご免よ!マスオさん、あたしのスネークソードを用意して。ワカメ、タラちゃんをお願いね。母さん、薬草残ってるわよね?」
「お姉ちゃん…」
「…サザエ、待ちなさいと言っているんだ」
「…自分の息子のために動けない父親なんて相手にしてらんないわ。行くわよ、マスオさん」
「いい加減にしろ!!!」
「と、父さん…」
「…サザエ、ここはお父さんの言う通り少し待ちなさい。お父さんにも考えがあるのよ」
「母さんまで…」
「…サザエ、ここはお父さん達の言う通りにしよう」
「マスオさん…、分かったわよ…」
「もう今日はサザエ達も休みなさいね」
「えぇ、お父さんお母さんもお休みなさい。ワカメちゃんもね。サザエ、僕らも行こう」
「お休み、マスオ兄さん」
「……父さん、ごめんなさい…」
「…あぁ」
「………ふぅ。さっきはどうなるかと思ったよ。サザエもあまりお父さんを刺激するなよな。ふふ、タラちゃんもよく眠ってるなー。…何してるんだい、サザエ?」
「スネークソードの準備よ」
「な…!」
「父さんには悪いけど、やっぱり耐えられないわ」
「やれやれ、さっきの『ごめんなさい』はこういう意味か…」
「…マスオさん、ごめんね。わがままな女で…」
「なーに、夫婦は一蓮托生さ。君が行くなら僕も行くよ」
「…タラちゃん、すぐ帰ってくるからね」
「…久しぶりに呪文を使うことになるかもなぁ。こんな時に不謹慎だけど、体の中の魔力がざわめいてる感じだよ」
「ふふ、あたしも。剣を握っただけで濡れてきそう…。本当はカツオを探したいんじゃなくて、自分が戦いたいだけなのかも…」
「僕も君も戦場でしか生きられない人間なのかもしれないなぁ。…そんな君だから愛したんだろうな」
「帰ってきたら、いっぱい愛してね…。ん…」
「あぁ…。…さぁ行こうか…!」