「マスオです。カツオ君捜索のために動き出した僕達ですが、手がかりをつかめぬまま、夜が明けようとしているのでした…」


「どう、マスオさん?」
「…ダメだ。カツオ君の魔力を探ってるんだが、探知できない」
「じゃ、意図的に妨害をしてる奴がいるってことね」
「そうなるな…。そんなことができる人間なんて限られてる…。君と結婚してからはお父さんに魔法に関する一切を禁止されてたからね…、ブランクのせいで探知できないなんて思いたくはないが…」
「それに魔力探知で発見できるなら、とっくに父さんがカツオを見つけてるはずだわ。私達と同程度、もしくはそれ以上の連中がカツオを拉致した…」
「ふぅ、『彼ら』とは戦いたくないんだけどな…」
「…そうも言っていられないみたいよ、マスオさん…!」
「おいでなすったか…」
「こんばんは、サザエさん、マスオさん。それとも、おはようございますかしら」
「タイ子さん…」
「カツオの居場所、ご存知かしら?」
「知ってるわ。でも、教える気は無いの。今、磯野家に動かれちゃ面倒なのよ」
「そっちの都合なんて知ったこっちゃないわ」
「じゃ、死んで!」
「速い…!」
「サザエ、援護する!堅牢なる鎧を成せ!スカラ!!」
「へぇ…相変わらず夫婦仲の良いことで…」
「タイ子さんのウォーハンマーも相変わらずの威力ね…!」
「…余裕で受け止めといてよく言うわ。私ね、あなたのそういうとこが大嫌いなのよ。いつも全力のように見せかけて、余裕を隠し持ってるその態度がね!」
「タイ子さん、今ならまだ間に合う。この勝負はどうみたってあなたが不利なんだ。二対一で勝てるはずがない。カツオ君について知ってることを話して、退いてくれないか」
「冗談じゃないわ…!!こっちだって勝算がなきゃこんなことやんないわよ!ガアアアアアアアアア!!」
「なんだ!?タイ子さんからすさまじい魔力が!!」
「マスオさん、久しぶり…」
「ノリ助君!?」
「タイ子には人間であることを捨ててもらおうと思いましてね…!やれ、タイ子!!」
「竜の牙、翼、炎、全てを我が身に宿せ!ドラゴラム!!」
「タイ子さんが竜に!!」
「なんてことだ!ノリ助君、ドラゴラムの意味が分かっているのか!?もう彼女は人間には…!!」
「分かってますよ。でもねぇ、どーしても僕らはあんた方を潰しとかなきゃいけないんですよ」
「こんなのって…」
「サザエ、あいつらを倒そう…。それしかない…!」
「勝てるんですかぁ?あんた達二人で」
「だまんなさいよ、このクソ男!」
「おお、怖い。そんなに剣を振り回して。タイ子、僕を守れ!」
「グガアアアアア!!!」
「まずい、タイ子さんの爪がサザエに!大気を貫く凍てつく氷槍!ヒャダイン!!」
「タイ子、激しい炎だ!」
「ガアアアアアアアアア!!!」
ヒャダインが溶ける…!でも…!」
「おかげで、隙ができたわッ!」
「ちっ、サザエさんめ!」
「ノリ助さん、これで終わりよ!火炎斬りィィィ!!」