「マスオです。カツオ君捜索の妨害のために現れたノリ助君とタイ子さんとの戦いの中で、タイ子さんは巨大な竜に姿を変え、僕らを紅蓮の炎で消し去ろうとするのですが、サザエの炎を纏った刃もまたノリ助君を捉えているのでした…」


「ノリ助さん、これで終わりよ!火炎斬りィィィ!!」
「くそッ!役に立たない嫁だ!狂気の悦びの中で果てろ!メダパニ!!」
「チッ、ノリ助君お得意のメダパニか!サザエ、避けろ!!」
「回避行動は最小限!避けずに攻め抜くのが私のやり方よッ!喰らいなさい!」
「グアアアアア!!がっ…はっ…、サザエさんめぇ…!!」
「大丈夫か、サザエ!…全く旦那に心配かけるのが好きだな、君は。まぁ、あの状況でメダパニを避けつつ火炎斬りでノリ助君の左腕を切り落とす技術は流石といったところだけどね」
「くっ…直撃は避けたけど…メダパニかすったみたい…。足が…ふらつく…」
サザエさん…、マスオさん…!あんた達絶対に許さねぇぞ…!!タイ子、この二人を灼き殺せ!!お前の命に代えてもだ!!僕は一度退いて傷を癒す…!流れる星の如く!ルーラ!!」
「ゴガアアアアアアアアアアア!!!!」
「タイ子さん…哭いてるわ…」
「サザエ、僕達でタイ子さんを楽にしてやろう…」
「えぇ…」
「ガアアアアアアア!!!!」
「また激しい炎か!」
「違うわ…!これは灼熱の炎…!!タイ子さんは自分の命を炎に換えて吐き出してる!!」
「この熱さじゃかすっただけでもマズイな…!我が纏うは大いなる安らぎの衣!フバーハ!!」
「ダメだわ、フバーハでも防ぎきれない!」
「彼女の命が尽きる前にこっちが消し炭になっちゃうな…!サザエ、こうなったら一気に仕掛けるぞ!」
「チマチマやるのは性に合わないわ!それが私達の得意なスタイルだもんね!!」
「さて、僕の魔力がもつかどうか…。男の見せ所だな…!いくぞ、サザエ!韋駄天の煌き!ピオリム!!剛力無双!バイキルト!!」
「感じるわ…!マスオさんの魔力…!マスオさんが私を支えてくれてる!だから私はいつだって前にでる!前だけを見る!この強さと速さなら、いける!!」
「ブランクのせいか、年齢のせいか、連続詠唱はチョットきついな…。さて、そうも言ってられないか…。女房の強化が終わったら今度は敵の弱体化だな…!脆きものに死の誘いを!ルカニ!!包み込め、幻惑の檻!マヌーサ!!」
「ガウウウウ…ガアアアアアアア!!」
マヌーサがよく効いてるわ!この炎なら避けられる!」
「油断するなよ、サザエ!」
「マスオさん、私が翔んだらタイ子さんの動きを封じてね!」
「分かってる!それと同時に君が斬りやすいように切れ目を入れておくのが僕の最後の仕事だからね!」
「行くわよ!ハアアアアアアッッッ!!」
「結婚前のことでもタイミングは体が覚えているか…!さぁて、ドでかいのを一発…!ハァァァァァ…!!唸れ、疾風!!轟け、暴嵐!!斬裂する不可視の刃!!バギクロスッッッ!!!」
「ガアアアアアアアアアア!!!!ウウウウウ!!!!アアアアアアア!!!!!」
「タイ子さん、ごめんね…。すぐ終わらせるから…!」
「サザエ、今だ!!!」
「うおおおおおおおおお!!!ドラゴン斬りィィィィィィ!!!!!!」
「グギャアアアアアアアア!!!!!」
「やった…!!」
「ふふ…サザエさん…、素敵な旦那様で羨ましいわ…」
「タイ子さん…!!」
「最後の最後でドラゴラムが解けたのか…」
「さよなら…ノリ助さんをよろしくね…」
「タイ子さんが消えていく…」
「ううっ…マスオさん、私…」
「君が悪いわけじゃないよ…。何かが狂ってるんだ…。そして、その狂気の中心にカツオ君もいるんだ…、きっと…」